瀬戸内海に浮かぶ、周防大島。
夏は特に多くの人で賑わう。
初めて会った健太郎さんは、周防大島の海がとても似合う爽やかな笑顔だった。
椰子の木が点在する海沿いはまるで海外。
木陰で休むとリゾート感が増す。
健太郎さんの、あー、今日はもう仕事できないかもー、、という声が聞こえてきそう笑
この美しい島には、多くの自然と陽当たりの良い山陽地域ということもあって花粉源植物が豊富なのか、この島では養蜂が盛んに行われている。
その多くは、花の咲く時期に合わせてミツバチたちと移動し、各地に養蜂場を移していく「移動養蜂」という伝統的な採蜜方法をとっている。
逆に、養蜂場を1か所とし、その場所で咲く花の蜜を集めていくのが「定飼養蜂」。
瀬戸内タカノスファームは敢えてその手法をとっている。
「移動養蜂」は多くの蜜が採れる分、その代償として移動することによる蜂たちへの負荷が多くかかってしまうのが現実・・・
そのストレスをできる限り減らしてあげて、周防大島の土地にある自然の蜜だけでできたはちみつを採っている。
「定飼養蜂」にすることで、はちみつの小さな声を聴き逃さないようにする。
人間のエゴだけではちみつを採るのではなく、この地道な取り組みによって持続可能な養蜂を目指しているのだ。
関東で暮らしていた健太郎さんと奥様の三記子さんが、周防大島にやってきたのは2011年東日本大震災をきっかけだった。
それまでは二人とも東京で映像クリエイターと歌手として活動していたのだという。
そんな二人が周防大島へ移住したのは、この地へよく遊びに来ていた親戚の子供達が楽しんでいた様子を知ったのがきっかけだった。
自身に子どもができ、都外での生活を考える時に、この島がぴったりだと感じたのだろう。
一方で、移住してみてのズレや不安ももちろん生まれてくる。
そんな中、自然を守りながら島の農業をみんなで支えたい、と健太郎さんが2014年から始めたのが、島の若手農業家たちとの「島のむらマルシェ」だった。
自然に配慮した、オーガニックな作物や商品のみを扱うマルシェはメディアにも取り上げられるほどの人気なイベントとなった。
もっと暮らしに根付いた形で、と月に一度のペースで「島のあさマルシェ」も始めたところ、今では出店者も増え、地元にも認知が広がり、島のシンボル的なイベントとなっている。
自然への敬意を忘れない健太郎さんの作るものたちは、どれも優しく体が喜ぶ味がする。
梅シロップは、島のむらマルシェメンバーの一人でもある珍さんが作った周防大島さんの梅を使って仕込んでおり、夏に飲むとうだった体がシャキッ!と目覚める。
大量に届いた梅。
これをシロップに加工していくのだという。
周防大島で採れた小魚たちをふんだんに使い、赤ちゃんでも食べられる「島のふりかけ」は、隠れた人気者。
島内の道の駅でも手軽に手に入るので、試してみてほしい。
今、あたらしい取り組みも始めている瀬戸内タカノスファーム。
今後の動向も要チェックだ。
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瀬戸内タカノスファーム
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